月曜の夜に、ピアノのリサイタルを聴きに行きました。

David Helfgott(デイヴィッド・ヘルフゴット)というオーストラリア人のピアニストで、オーストラリア大使館が招聘し、演奏は大使公邸で行われました。
公邸と言っても、自宅なので、そこに100人からの招待客がひしめき合って、けっこうな賑わいでした。
CIMG2972.jpg

Helfgott氏については全くの無知でしたが、本国では非常に有名で、彼を題材に映画化もされているとのこと。

開演前に渡されたプログラムを見ると、
1. アンダンテとロンド・カプリチオーソ / メンデルスゾーン
2. 幻想即興曲 / ショパン
3. 英雄ポロネーズ / ショパン
4. ピアノソナタ第3番ロ短調 作品58 第一楽章 / ショパン
5. エステ荘の噴水 / リスト
6. ラ・カンパネラ / リスト
7. ハンガリー狂詩曲 6番 / リスト
と、有名どころがそろっていたので、とても楽しみに前の方の席を確保。

開演の時間になって出てきたHelfgott氏は、推定60代、とてもテンション高く両手を振りながら、しかし、スタッフか親族らしき男性につき添われ、彼の介添えが無いとまともにピアノの前の椅子にも座れないようなようす。放っておいたら、手を振りながら、ずっとお客さんの中を練り歩いてそうな…。
一見して「アレ??」と思いました。

演奏が始まってからも、けっこうな大声で鼻歌を歌いながら、時に何かブツブツ呟きながら、ピアノを弾きます。件の介添え男性はピアノの横にずっと付いて、時折、Helfgott氏に「静かに」と言うように唇に指を当てるしぐさをしています。

Helfgott氏は一曲弾き終わるごとに、椅子から立ち上がって、お客さんのところへ行き、一人一人と握手しようとします。
こんなピアニスト、初めて見たゾーと思いながら、家へ帰って調べてみると、彼は若いときにノイローゼを患い、現在も統合失調症なのだそうです。

ピアノから離れると奇行とも言える行動を繰り返す氏でしたが、ピアノの前に座ると独特の自分の世界を作ってそこに入り込んでいるようです。
CIMG2973.jpg

ミスタッチする度に「Sorry」というつぶやきが聞こえました。誠実な人なんだなぁと…。
演奏にもそういう人柄が出ていたように思います。繊細な感じのピアノ。


アンコールもあったみたいですが、長いフライトの後で夫がもうフラフラだったので、早々と引き揚げました。

ちなみに、Helfgott氏題材の映画は「シャイン」というタイトルで、主役を演じたジェフリー・ラッシュはアカデミー賞を受賞しています。私は未見ですが、機会があれば見てみようと思います。